2040年には10万人の死亡者が

日本では1960年代以降の高度成長期にビルの耐火、断熱などを目的にアスベストが大量に消費されていたため、その20年〜40年の潜伏期間が丁度終わり始める1990年代からアスベストが原因で発生したと思われる肺がんや中皮腫による死亡者が増加しています。2040年までにそれらによる死亡者は10万人に上ると予測されています。また、アスベストが使用されたビルの寿命による建て替えが増え、建造物の解体によるアスベストの排出量が2020年から2040年頃にかけてピークを迎え、年間100万トン前後のアスベストが排出されると予測されています。

また、ヨーロッパでも同様のアスベストによる被害が多く見られ、2020年までに肺がんや中皮腫による死亡者は50万に上ると推計されています。


アスベスト生産量の推移
石綿労災認定件数の推移 中皮腫は、2005年には前年の3倍にも増えています。潜伏期間が35年と考えると、大量消費されていた1970年にアスベストの被害を受けた方が発症したことになります。